俳優の田中邦衛さんが死去 88歳「北の国から」などで存在感

テレビドラマ「北の国から」や「新選組!」、映画「学校」など、数々の作品で存在感のある役柄を演じて親しまれた俳優の田中邦衛さんが、先月24日、老衰の為亡くなりました。88歳でした。

田中邦衛さんは昭和7年に岐阜県で生まれ、昭和30年、劇団「俳優座」の養成所に入りました。

昭和32年に「純愛物語」で映画デビューし、昭和36年から始まった映画「若大将」シリーズでは加山雄三さん演じる主人公「若大将」のライバル「青大将」の役を演じて、存在感溢れるコミカルな演技で人気を集めました。

その後も、映画化もされた民放の人気ドラマ「若者たち」で両親を亡くした5人兄弟の長男の役を演じた他、ヤクザ映画の「網走番外地」シリーズや「仁義なき戦い」シリーズでは、悪役としても存在感を見せるなど、幅広い役柄を演じました。

中でも、昭和56年に始まった民放のドラマ「北の国から」のシリーズでは、北海道富良野市大自然の中で息子と娘の成長を見守る寡黙な父親の役を20年以上に渡って演じ、温かみのある演技で幅広い年代の視聴者を惹き付けました。

また、平成5年に公開された山田洋次監督の映画「学校」では夜間学校に通う中年男性を熱演し、

日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞しました。

この他、平成16年のNHKの大河ドラマ新選組!」では近藤勇の養父、周斎の役を演じ、平成17年にNHKスペシャルで放送された終戦60年企画のドラマ「象列車がやってきた」では戦時中の動物園で象を守り続けた飼育員を演じました。

平成11年に紫綬褒章、平成18年には旭日小綬章を受章しています。

田中さんは、平成22年に公開された映画「最後の忠臣蔵」に出演し、平成24年に亡くなった俳優の地井武男さんの御別れの会に姿を見せていましたが、その後、俳優活動から遠ざかっていました。家族によりますと、田中さんは先月24日、老衰の為、家族に見守られながら息を引き取ったということです。

葬儀は家族葬の形ですでに執り行われ、御別れの会などの予定はないということです。

【札幌の市民は】田中邦衛さんの死去について、30代の会社員の男性は「大往生ではないでしょうか。北海道といえば『北の国から』。『北の国から』といえば田中邦衛さんだというイメージです」と話していました。

また、50代の女性は「とても有名な方なので残念です。それほど年をとられていたなんて、知らなかったので驚いています」と話していました。