俳優 京マチ子さん死去

黒澤明監督の映画「羅生門」等、出演した映画が国際映画祭で次々と賞を取り、「グランプリ女優」とも呼ばれた俳優の京マチ子さんが、12日、心不全の為東京都内の病院で亡くなりました。

95歳でした。

京マチ子さんは大正13年に大阪で生まれ、昭和11年、13歳で大阪松竹少女歌劇団、現在のOSK日本歌劇団に入り、華麗なダンスで人気を集めました。

その後、映画の世界に転じ、ベネチア国際映画祭で日本で初めてグランプリを受賞した黒澤明監督の「羅生門」で、三船敏郎さん演じる盗賊に襲われる侍の妻を演じ、一躍トップ女優となりました。

その後も、溝口健二監督「雨月物語」がベネチア国際映画祭の銀獅子賞に、又、衣笠貞之助監督の「地獄門」がカンヌ映画祭でグランプリを受賞するなど、出演した作品が海外の映画祭で数々の賞を受賞して「グランプリ女優」とも呼ばれ、美しい容姿と艶やかさを兼ね備えた演技で国際的にも人気を集めました。

テレビドラマや舞台でも活躍し、平成11年に放送されたNHK大河ドラマ元禄繚乱」では、将軍、徳川綱吉を溺愛する母、桂昌院の役を演じました。

昭和62年に紫授褒章、平成6年には勲四等宝冠章を受章し、80歳を過ぎても舞台「女たちの忠臣蔵」に出演する等活躍を続けました。

東宝によりますと、京さんは12日、心不全の為東京都内の病院で亡くなったということです。

石井ふく子さん「心の美しい清らかな方」】

京マチ子さんが亡くなった事について、京さんざ出演したテレビドラマのプロデュースや舞台の演出を手掛ける等、親交があった石井ふく子さんは「あんなに素敵な大スターは、もう出ていらっしゃらないと思います。心の美しい本当に清らかな方でした。寂しいです」というコメントを出しました。