モルディブ政府が非常事態宣言 観光への懸念も

日本人観光客も多く訪れるインド洋の島国モルディブでは、政治犯の釈放を命じた最高裁判所とそれを拒否する大統領との対立による混乱から政府が非常事態宣言を出し、観光への影響も懸念されています。

モルディブでは今月1日、最高裁判所が反テロ法違反の罪に問われたナシード元大統領の有罪判決の無効や政治犯として収監されている野党指導者らの釈放を命じましたが、ヤミーン大統領がこれを拒否する姿勢を見せ、対立が深まっています。

首都マレでは、野党支持者らがデモを行うなど混乱が広がり、政府は5日、15日間非常事態宣言を出しました。

非常事態宣言が出された後、警察が野党を指示するがユーム元大統領や最高裁判所の判事を拘束する事態となっています。

ヤミーン大統領は、2013年に大統領に就任して以降、野党の幹部らを次々と逮捕するなど強権的な政治姿勢をみせ野党側の反発が強まっています。また、最近では中国とFTA=自由貿易協定を締結するなど急速に関係を深め、過度の中国依存だとして懸念の声も出ています。

モルディブでは、年間120万人が訪れる世界的に人気リゾート地で、日本人もおよそ4万人が訪れ政治的な混乱が拡大すれば観光への影響も懸念されています。

現地の日本大使館は首都マレに滞在する日本人に対し、不要不急の外出は控えるよう呼びかけています。