貧困に紛争、HIV感染 世界の不幸が集中
国内避難民を含めて5人に1人が紛争の影響下にあり、世界のHIV感染者の7割が集中している地域―。
アフリカにおける内戦・紛争の遠因は、過去に西欧列強が行った文化や人種・民族を無視した国境の線引きにある。そこに部族間の対立が生まれ、天然資源の利権をめぐる争いが加わった。冷戦時代にはこれが西側・東側の代理戦争に発展。泥沼の状況を作り出した。
冷戦後は資源の獲得を目的とした代理戦争は影を潜めたが、代わりに部族間の対立が激しくなかった。ルワンダではかつてない規模の大虐殺が行なわれ、いまもスーダンのダルフール地方ではそれと同じ状況が現出しているといわれる。ナイジェリアのように資源が豊富で膨大な外貨を稼いでも、それが国民に還元されていないという社会の構造にも問題がある。
日本とは遠い距離にあるアフリカだが、グローバルな視点で見たとき、この地域の不幸は決して他人事ではなくなっている。