「台湾の旗」騒動 台湾や韓国で波紋

韓国の女性歌手グループに所属する台湾出身のメンバーが、テレビ番組の収録中に台湾の旗を振って中国で批判を浴びた末、台湾総統選挙の直前に謝罪したことに台湾や韓国で波紋が広がっています。

これは韓国の女性歌手グループ「TWICE」のメンバーで、台湾出身の16歳、周子瑜さんが、先月下旬、韓国のテレビ番組の収録中に台湾の旗を振る様子がインターネット上で紹介され、中国で「台湾独立派だ」と批判を浴びたものです。

これを受けて、グループの所属事務所は台湾総統選挙の前夜、黒い服を着た周さんが深々と頭を下げて謝罪し、「私は中国人として誇りをもっています」などと話す様子を動画投稿サイトで公開しました。

すると、台湾では「中国の圧力で謝罪に追い込まれた」とか「台湾出身者が台湾の旗を振るのは当然だ」といった強い反発を引き起こし、中国との交流拡大を訴えた与党・国民党の朱立倫氏が大差で敗れた一因になったという指摘も出ています。

一方、韓国でも、まだ16歳の周さんが謝罪したのは所属事務所に強要されたものだとして、市民団体が事務所に抗議するなど波紋が広がっていて、18日の韓国のテレビや新聞は一連の経緯を大々的に伝えました。