“最強スクラム妻娘” 令和初のサラリーマン川柳 入選作発表

世相や働く人の本音をユーモアたっぷりに詠んだ「サラリーマン川柳コンクール」の入選作が発表され、ラグビーに関する言葉を取り入れたものや働き方の変化について詠んだものなど100の作品が選ばれました。

今年で33回目となる「サラリーマン川柳コンクール」は、大手生命保険会社の第一生命が毎年、開催していて23日、およそ5万3000句の中から選ばれた100の作品が発表されました。

今回は、去年開催されたラグビーワールドカップに関する言葉を取り入れた句が多く寄せられたということです。

▽我が家では最強スクラム つま・むすめ(コラプシング)▽リーチです昔麻雀 今マイケル(りのんぱ)▽「ワンチーム」にわかに課長が 言い始め(磯っぷ)▽ノーサイド笛が鳴らない 我が職場(ヒデキ)消費税率の引き上げやキャッシュレス決済を題材にした句を多く入選しています。

▽おじさんはスマホ使えず キャッシュです(リタイヤ組)▽登録がストレスだらけのキャッシュレス(デビューじじい)▽消費税十パー惜しく持ち帰り(しん)AIや働き方改革など職場の変化を詠んだ句では、▽話聞け! スマホいじるな!「メモですが」(オジサン)▽長時間会議で決めた 時短案(北鎌倉人)▽パソコンを上司に教え 日々多忙(新入社員)▽AIに営業スマイル 審査され(めめりん)などが選ばれました。

このほか、元号が「令和」に変わったことについて、▽令和婚逃して目指すは 五輪婚(はるP)▽「令和初!」通常業務も プレミア感(衣布歩智)▽平成についていけずに 令和来る(喜夢多来) などの句も寄せられています。第一生命の松村英輔次長は「去年ブームになったラグビーの句が多く、『ワンチーム』や『ジャッカル』などの言葉を使って職場や家庭の悲哀をうまく表現している句がありました。個人的には『できる人 昔残業 今休暇』という句が働き方の変化をダイレクトに詠んでいると思いました。川柳を見ると、人と時代が変化していることを共有できると感じます」と話しています。

サラリーマン川柳は今回選ばれた作品の中からベスト10を決める投票が23日から行われ、今年5月下旬に結果が発表されます。

【時代を映してきた“サラ川”】令和初の開催となったサラリーマン川柳ですが、始まったのは1987年。職場や家庭の悩みをユーモアたっぷりに詠んだ句はその時々の世相を映してきました。

【3、5、8、10・・・】今回は去年、税率が2桁になった消費税について詠んだ句も多く見られました。導入当初の税率は3%。そこから徐々に上がっていき、日々家計を切り盛りしている皆さんは頭を悩ませてきたようです。1993年の川柳です。

「税税税 うちの家計簿 息切れよ」 (良妻)

【コミュニケーションも変化】すっかりスマホが普及し、家族や友人、恋人ともSNSやメールでやりとりするシーンが増えています。

「電話が苦手だ」という若者が増えているという話もありますが、以前はこんなことで怒られた時もありました。1992年の川柳です。「長電話 会って話せば タダなのに」 (スキスキスキー)【変わる働き方】この30年あまりで働き方も大きく変わってきました。サラリーマン川柳が始まったバブル期は「24時間戦えますか」というフレーズが流行。1990年の川柳です。

「ビジネスマン 24時間 寝てみたい」(ボーナス)柔軟な働き方を認める制度も整えられてきましたが、仕事量は変わらないのに、制度だけ作られても…と、導入の当初は戸惑いもあったようです。2008年の川柳です。

「ノー残業 おかげで明日は 超残業」(ノー残業デー大好き)五・七・五に込められた流行や社会の移ろい。こうして見ると平成の時代で大きな変化を遂げたことを感じますが、いったい令和はどんな川柳が詠まれるのでしょうか。