NHKの元気象キャスター 倉嶋厚さん死去

NHKの気象キャスターとして親しまれたエッセイストの倉嶋厚さんが3日、がんのため埼玉県の病院で亡くなりました。93歳でした。

倉嶋さんは長野県出身で、気象庁の主任予報官や鹿児島地方気象台の台長を務めたあと、昭和59年からNHKの解説委員となり、ニュース番組の気象キャスターとして天気の解説に当たりました。

豊富な気象知識を味わい深い語り口でわかりやすくお茶の間に伝え、天気予報の新しい形を築き上げたとして、平成8年にはNHK放送文化賞を受賞しました。

また平成14年にはうつ病を克服したみずからの体験を記した『やまない雨はない』を出版して話題を呼んだほか、各地で自殺防止を呼びかける講演活動にも力を注いできました。

倉嶋さんはみずからを気象エッセイストと呼んで精力的に執筆活動を続けてきましたが、おととし「腎うがん」がみつかり、3日埼玉県内の病院で亡くなりました。