WBC プエルトリコが2大会連続で決勝進出

野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックは、アメリカで準決勝1試合が行われ、延長11回、タイブレークの末、前回大会準優勝のプエルトリコオランダ王国に4対3でサヨナラ勝ちし、決勝に進みました。

プエルトリコオランダ王国の準優勝は日本時間21日、アメリカ・ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われました。

試合はオランダが1回、大会で全試合4番に座り、6割近い打率をマークしている、東京ヤクルトスワローズウラディミール・バレンティン選手がツーランホームランを打って先制しました。その直後にプエルトリコは、メジャーリーグ・ヒューストン アストロズで2年連続で20本以上のホームランを打っている22歳のコレア選手がツーランホームランを打ち、同点に追いつきました。

このあと両チームとも1点ずつを加え3対3の同点で試合は延長に入り、延長11回からはノーアウト1塁2塁から始まるタイブレーク方式で行われました。プエルトリコは延長11回、送りバントと敬遠のフォアボールでワンアウト満塁のチャンスを作り、ミネソタ・ツインズのロザリオ選手がセンターに犠牲フライを打って、4対3でサヨナラ勝ちしました。

プエルトリコは準優勝だった前回大会に続き2回目の決勝進出です。

一方、オランダは10回からは6人目で登板した元東北楽天ゴールデンイーグルスのファンミル投手が2イニングで力尽き、2大会連続の準決勝敗退です。

プエルトリコ監督「日本は必ず準備を整えて来る」】2大会連続の決勝進出を決めたプエルトリコのロドリゲス監督は、対戦する可能性があるとアメリカについて、「持ち味が全く異なるチームだが、一方で似ている部分もある。アメリカは打線も投手陣も非常に強力で、特にリリーフ陣がいい。相手を力で圧倒することも、機動力を使うことも、守りで勝つこともできるチームだ。一方の日本は必ず準備をしっかり整えて来るので、こういう大会ではいつもいい成績を残す。基本に忠実な野球をして、自滅するということがないので、自分たちから勝ちにいかないといけないチームだ」と分析しました。

そのうえで、「どちらが勝つかわからないが、準決勝はとても注意深く見たい。勝ったほうを決勝で迎え撃つ準備はできている」と話し、初優勝への自信を示しました。

準決勝でプエルトリコに敗れたオランダのヘンスリー・ミューレンス監督は「プエルトリコはわれわれが今大会、対戦した中で最も強いチームだと思う。そのうえ、選手たちをあす1日休ませることができるので、日本とアメリカ、どちらと対戦するにしても有利だと思う」と話し、プエルトリコが優勝する可能性が高いという見方を示しました。

プエルトリコ 前回大会は準優勝】

プエルトリコは、カリブ海にあるアメリカの自治領です。

WBC=ワールド・ベースボール・クラシックでは前回大会の準決勝で日本に3対1で勝って準優勝しています。

チームの中心はメジャーリーグセントルイスカーディナルスの強肩強打のキャッチャー、ヤディアー・モリーナー選手で、巧みなリードと的確な状況判断に基づいた守備で相手の攻撃を封じ、さらに5番バッターとして今大会打率3割3分3厘をマークしています。

若手では、一昨年の新人王を獲得したヒューストン アストロズの22歳、コレア選手がここまでホームラン3本、9打点と、ともにチームトップの成績を上げています。また、4番で同じアストロズのカルロス・ベルトラン選手は、メジャーリーグ通算421本のホームラン打った実績があります。

機動力も持ち味で、2次ラウンドのアメリカ戦ではシカゴ・カブスの24歳、バイエス選手などが合わせて4個の盗塁を決めました。前回大会の決勝で敗れたドミニカ共和国を破った試合では5人の投手リレーで相手の強力打線を1点に抑えるなど、投手陣も安定した力を見せています。