池袋暴走事故の初公判・・・遺族「命に向き合っていない」

去年4月、東京・池袋で車を暴走させ、松永真菜さんと娘の莉子ちゃんをはねて死亡させ、9人に重軽傷を負わせた過失運転致死傷の罪に問われている飯塚幸三被告(89)の初公判が8日、開かれました。真菜さんの夫・松永拓也さん(34)と、真菜さんの父・上原義教さん(63)が、被害者参加制度を利用し、裁判に参加しました。

車椅子を弁護士に押された飯塚被告は、初公判の冒頭、遺族の方を向いて「まず今回の事故により、奥さまとお嬢さまを亡くされた松永さまと、ご親族には心からお詫びし、悲しみとご心痛を思いますと言葉はございません」と謝罪。一方で、起訴内容については「アクセルを踏み続けたことはなく、車に何らかの異常が発生して暴走したと思っている」と述べ、自分に過失はなかったと無罪を主張しました。

これに対し、検察側は「ブレーキやアクセルに異常はなかった。アクセルペダルを踏み込んだデータはあるが、ブレーキは踏んでいない」と指摘しました。

松永さんらは、初公判が終わった後、記者会見を開きました。

松永拓也さん:「予想していたこととはいえ、残念でなりません。車の不具合を主張するのであれば謝って欲しくはない。しっかりと罪を認めて、判決が出た後に本当に申し訳ないと思うのであれば、その時でいい。2人の命と遺族の無念と向き合っているとは思えませんでした」

上原義教:「彼が本当に裁判を通して、多くの方々を傷つけたことを反省していただいて、最後の最後は『自分が悪かった』と謝ってくれることを願っています」