教諭いじめ 50にも上る悪質行為 弁護士が警察に被害届

神戸市の小学校の教諭らによるいじめ問題で、被害を受けた男性教諭は熱湯の入ったやかんを顔につけられる等凡そ50に上る悪質ないじめ行為を受けたと訴えている事が分かりました。代理人の弁護士は、11日夕方、警察に被害届を出しました。

神戸市の市立東須磨小学校では、30代の男性教諭3人と40代の女性教諭1人の合わせて4人が、20代の同僚の男性教諭に悪質ないじめを繰り返し、被害を受けた教諭は体調を崩して先月から出勤できなくなっています。

被害を受けた教諭の関係者によりますと、いじめは去年春ごろから始まり、羽交い締めにして激辛のカレーを無理矢理食べさせられただけでなく、ドレッシングやキムチ鍋のもとを飲まさせれたこともあったということです。

また熱湯の入ったやかんを顔につけられたり、首を絞められたりするなどの暴力を日常的に受けていた他、「クズが喋るな」等と頻繁に暴言を吐かれたとしています。更に、買ったばかりの新車にトマトジュースをかけられたり、鞄の中に氷を入れられたりした等いじめ行為は凡そ50に上ります。

今年6月に校長がいじめた教諭を指導した後にも「お前が全部言ったんやろ」「こんなんでいじめとは思わんでな」等と言われたということです。

いじめを受けた教諭の代理人の弁護士は、11日夕方、警察に被害届を出しました。

【暴行・強要・器物破損・・・校長の対応も問題視】

被害を受けた男性教諭が訴えているいじめ行為は、凡そ50に上ります。

いじめが始まったのは遅くとも去年春頃。

男性教諭が赴任して1年程だった時期でした。

「新人なので授業を見学させて欲しい」と申し出たところ、「来るな、教室が汚れる」などと言われたということです。

男性教諭は、その時期から日常的な暴力行為が始まったと訴えています。

▽平手打ちをされた▽蹴られた▽首を絞められて呼吸困難になった▽関節技をかけられ「痛い痛い」と言ってもやめてくれなかった、▽熱湯で入ったやかんを顔をつけられた▽コピー用紙の芯でお尻を叩かれ痣が出来た、等としています。

去年の運動会の後の飲み会では、ビール瓶を口に突っ込まれて無理矢理飲まされた上、飲み終えた瓶で頭を叩かれた事もあったとしています。

そして、去年9月4日午後、学校の家庭科室で、後ろから羽交い締めにされ、激辛カレーを食べさせられた他、激辛カレーを目に擦り付けられたと訴えています。

更に、激辛ラーメンを汁まで全部飲まされ、その場にいた教員らは苦しむ姿を見て大笑いしていたということです。

男性教諭の大事な持ち物や車等への嫌がらせも後を絶えなかったといいます。

▽鞄に氷を入れられ中身がびしょ濡れになる事が数十回に及び、▽児童に配付する為のプリントに水を垂らされたり、▽指導案に落書きされたりしたということです。▽買ったばかりの新車にトマトジュースをかけられ、▽中に水を撒き散らされた事もあったということです。

言葉による悪質ないじめも、頻繁に行われていました。

▽「出張に行ったら甘いもん買ってくるのが礼儀やろ」と言われ、▽買って帰ったところ「こんなんで好かれようとするな」と目の前で捨てられたとも訴えています。▽仕事が終わっていないのに「はよ帰りたいから送れやクズ」と言われる等何度も送迎を強要されたということです。

▽日常的に名前に「クズ」「ゴミ」等を付け呼ばれ、▽仕事上の質問をしても「クズが喋るな」等と遮られたと訴えています。

いじめは児童の児童のいる場所でも行われていました。

加害者側の教諭は児童の前で男性教諭の悪口を言い、「学級をめちゃめちゃにしたれ」「言う事を聞かんでいい」「男子全員ではめて居場所をなくせ」等とけしかけていたということです。

学校側の対応の問題点も訴えています。

去年12月、男性教諭は前の校長と期末面談を行いしました。

この中で前校長から、嫌がらせをされていないが尋ねられ、男性教諭「お世話になってます」と答えると、前校長からは「じゃ、お前はいじめられないんやな」と念を押されたとしています。

今年6月、いじめ行為について見兼ねた別の教諭から通報があり、現在の校長が加害者側の教諭らを指導しました。

しかしこの後も「お前が全部言ったんやろ」

「お前の後ろには校長という偉い人がいる」「いじめられてなんぼ。こんなんでいじめとは思わんでな」等と言われたということです。

男性教諭は今年4月頃から睡眠障害等の症状が出るようになり、夏休みには「2学期が始まったらまたやられる」という気持ちで精神状態が更に悪化していったということです。

男性教諭の代理人の弁護士は、こうした行為について、強要や暴行、器物損壊にあたる可能性があるとして、11日夕方、警察に被害届を出しました。