伊調選手へのパワハラ“認定”嫌がらせも

女子レスリングの伊調馨選手(33)に対するパワーハラスメントが告発された問題で、日本レスリング協会が委託した第三者委員会が調査を進め、5日までに報告書をまとめた。報告書では、日本レスリング協会栄和人強化本部長が伊調選手に対し、日本代表の合宿中に「よく俺の前でレスリングができるな」などと発言したり、男性コーチ対しても伊調選手を指導しないように指示するなど、伊調選手への嫌がらせがあったとしている。さらに、代表選考についても問題があったと指摘。伊調選手は2010年、全日本選抜選手権や世界選手権で優勝を果たしたが、そ52カ月後のアジア大会には、若手を試すという理由で選ばれなかったか。

しかし、他の階級ではベテラン選手が出場していた。伊調選手の代わりに選ばれたのは、栄氏の指導を受けていた選手だった。第三者委員会の説明を受けた日本レスリング協会は6日夕方から緊急理事会

を開いたが、理事でもある栄氏は欠席した。緊急理事会後、日本レスリング協会福田富昭会長は会見を行い「伊調選手に対する言動がパワーハラスメントにあたるという第三者委員会の認定を受け止め、伊調選手、コーチ、関係者に、この場を借りて深くおわび申し上げます」と謝罪した。栄氏は強化本部長の辞表を協会に提出していて、日本代表の指導からも退くという。