福島から避難の児童“名前に「菌」つけて呼ばれた”

東京都千代田区の小学校で、東日本大震災による原発事故の後福島県から避難していた児童3人が、同級生から名前に『菌』をつけて呼ばれていた等として、相談を受けた弁護士が千代田区教育委員会に対し、事実関係を明らかにする等対応を求めました。

弁護士は27日、都庁で記者会見し、原発事故のあった6年前から一昨年にかけて、福島県から避難し、千代田区の小学校に通っていた児童3人がいじめに遭っていたことが明らかになったと発表しました。

弁護士によりますと、このうち1人は6年前にこの小学校に転校してきた直後から、同級生から名前に『菌』をつけて呼ばれた上、同級生の帽子がなくなった際に犯人扱いされ、担任の教師からは「あなたは取っていないのか」と何度も問われる等したという事です。

また、別の児童も、4年前に同級生から『放射能』等と言われて避けられる様になり、担任の教師に対応を求めた所、『相手には伝えた』と言われただけで、何れもその後、別の小学校へ転校したという事です。

千代田区では別の中学校で、福島県から避難している生徒が同級生らに要求されてお菓子などを奢っていた問題も明らかになっていて、第三者委員会で調査を進めています。

記者会見した山川幸生弁護士は「区の教育委員会には今日、法律に基づいて通報した。子供は学校に不信感を持っている」と述べ、事実関係を明らかにする等対応を求めたという事です。

千代田区教育委員会はNHKの取材に対し、「これまで学校や保護者からヒアリングした際には出ていなかった話で、初めて知る内容で驚いている。内容を精査する為今の時点ではコメントは出せないが、今後、事実関係等を調査していきます」と話しています。