二国間の摩擦再燃、列車に「コソボはセルビア」の文字

セルビアからコソボの国境を越えようとした列車が、二国間の摩擦を再燃させています。理由は列車にかかれた文字でした。

赤青白のセルビア国旗の色に塗られた車体には、「コソボセルビアです」と日本語のほか中国語など20か国語で一面に書かれています。コソボは2008年にセルビアから独立しましたが、セルビアは今もそれを認めていません。

セルビアの首都ベオグラードコソボの都市に向けて出発したこの列車について、コソボ側は「統治権の侵害だ」とセルビアに対して抗議し、国境越えを阻止するため武装警察を派遣しました。

一方でセルビア側は「コソボ側が設置した地雷で爆破される恐れがある」として列車を国境手前で停車させ、結局ベオグラードに引き返せました。1999年のコソボ紛争以降、こうしたいわば「宣伝用列車」がコソボに入ろうしたのは初めてとのことですが、二国間の国境地域の緊迫が今も続いていることがうかがえます。