米国とキューバ、国交回復を発表

54年ぶりとなる歴史的国交回復です。アメリカとキューバは7月下旬に双方の首都で大使館を再開すると発表し、東西冷戦構造を背景に長らく続いた敵対関係に終止符が打たれることになりました。

「これはキューバ政府と国民との関係を正常化する努力における歴史的な一歩で、アメリカ大陸における隣国との新たな章の始まりとなります」(アメリカ オバマ大統領)

アメリカのオバマ大統領は1日、キューバとの歴史的な国交正常化に合意したと発表しました。

国交回復の象徴である大使館の再開は、20日にワシントンとハバナの利益代表部を格上げするかたちで行われます。

両国は1961年に国交を断絶し、東西冷戦構造を背景にアメリカ側がいわゆる「封じ込め政策」でキューバ経済制裁を加えるなど長らく敵対関係にありましたが、オバマ大統領が去年「孤立化政策は効果がない」として方針転換を表明。4月にはラウル・カストロ国家評議会議長との直接会談を経て、5月にキューバが強く求めていた「テロ支援国家の指定」を解除し、国交正常化への下地作りが進んでいました。

両国の間には現在もキューバの人権問題やアメリカによる経済制裁の完全解除などの課題が残っているものの、合意を受けて双方の首都で利益代表部が首脳の親書を相手政府に届けるなど国交回復に向けた手続きが加速しています。

ワシントンにあるキューバの利益代表部では最近になって、ポールが建てられました。キューバの国旗がアメリカの空の下はためく日が近づいています。